2007年7月2日

逓信総合博物館(ていぱーく)「efuto=絵封筒展」、フタバ画廊「桐山征士展」、ギャラリー小柳「須田悦弘」展、西村画廊「もう一つの三沢厚彦展」、東京都現代美術館「トーキョーワンダーウォール公募2007入選作品展」、森アーツセンターギャラリー「ねむの木のこどもたちとまり子美術展」。

いろいろな展覧会だった。
数ではなく、内容が。 絵封筒展は見応えがあった。手紙の封筒という、自分の手元から必ず離れていくものに絵を描く行為は、それだけで歌のようだ。イラストレーターや絵描きに限らず、子供たちが描いた絵封筒も、眼を見張るものが多く、時間をかけてゆっくりと観た。会場の奥には実際に絵封筒を描いてみようというコーナーがあったのだけれど、親子たちばかりでなく、若い男女も楽しそうに描いていたりした。こういう、遊び心の郵便みたいなものは、日本ではできないと思っていたのだけれど(勝手に)、そうではないようだ。郵便配達員が読み取れるくらいの工夫は構わないらしい。あまりに凝りすぎてしまうと、機械が感知してくれず、戻って来てしまったりもするそうだが。あと、切手自体には手を加えてはならない(有価証券扱いのため)。今までやりそうで思いつきもしなかったことが展開されるこの展示を観たら、絵封筒(手紙)を描いてみたいと多くの人が思うのではないだろうか。

須田悦弘の作品は今まで美術館の常設展ぐらいでしか観たことがなかった。つまり、初めて個展を観た。大体予想はしていたのだけれど、やはり観られてよかったというか。作品の実物という圧倒的な力を感じたというか。そういう作家と、そうでない作家がいるけれど、須田さんは確実に前者だろう。2点ほど作品を見落として帰るところだった。そして、ギャラリーに入って真正面にある作品は、空調で起きるわずかな風でひらひらと震えていた。



何かを言おうとして、やっぱり言わない。
そういうことが1日に何度も起きる。
何かを言いたくて、やっぱり言えない。