2007年12月27日

千葉に帰っていた。


帰る前に、小山登美夫ギャラリー「タル・アール The Look」展、シュウゴアーツ「森村泰昌 荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・其の弐」展などを観る。


千葉はとても寒く、それでも昼間は晴れていて清々しい青空だった。家のベランダで育っているバラの花とか、名前は分からないけれど綺麗な花が咲き始めていた。日曜日、佐倉市立美術館に「Chaosmos'07 さびしさと向きあって」展を観に行った。この企画の第1回目ほどの衝撃はなかったかなあ。あのとき観たサワヒラキさんの映像とか、ムラタ有子さんの絵とか、どれもあの頃の自分には新鮮だったから今でも憶えている。けれど今回初めて石田徹也さんの絵を生で観られたのはよかった。絵の前に立ったとき、他にも人は結構居たのに、自分とその絵だけになったような感覚になった。沈黙の中に居るような。最後の絵は(画集で見た時もそうだったのだけれど)、彼が見ている夢を見ているような気分がした。哀しそうだからとか楽しそうだからとか絵の描き方がどうだとかで絵を判断することは自分はできない。思考を吹っ飛ばして自分に繋がるものがある絵に惹かれる。「それだけ」になっている感じというか…。理由を言葉で表すのは難しいのだけれど。


久しぶりに千葉でゆっくりできた気がする。ラーメン屋に行ったり(麺楽という最高に美味しい店)、夜ベランダでぼーっとしたり、料理をしたり、車を運転したり。なんてことはない、千葉に居た頃よくしていたことをした。クリスマスの深夜、月の周りに大きな光の輪ができていたのを知っていますか。ああいう、人の力では作ることも壊すこともできないものを目の当たりにしたとき、自分にも何かに意味を作ることができるのではないかと思います。どこにもそんな確信はないけれど、大きなものに包まれると、昔から自分はそう思います。