2009年12月10日

日記1
最寄りの駅に向かうとき小さな橋を渡る。朝、そこの手前まで来ると、橋にある片方のフェンスにカラスが二羽停まっているのが見えて、ぎょっとした。しかし渡らないわけにいかないのでずんずん進んでいくと、奥に居た一羽のカラスは飛んでいったのだけれど、手前のもう一羽の方は動かずそのままフェンスに停まっていた。「なんか嫌だなあ恐いなあ。こっちに来なければいいなあ。」と思いながらカラスの前を通ったとき、気のせいかもしれないけれど、そいつが自分をじっと見ているような気がした。嫌な予感というのは大体当たるものである。通り過ぎて数秒後にバサッと羽ばたき、「カア」と言いながら足で頭を掴まれた。自分が想像していたことが現実となり、その驚きと、またそれがカラスに襲われるという日常ではあまり考えられないことで、心臓が止まりそうになった。おいおい勘弁してくれよ、と最初変な汗が出てきたが、だんだんそれは憎しみのような、どこにも発散することのできない感情として、自分の中にしばらく残っていた。憎たらしい。あの「カア」という鳴き声が耳に残っている。しかもあいつが自分の頭を掴んだあと、反対側のフェンスに停まって(自分のすぐ近く)、目が合ったのだ。「うけけけけ」とでも笑っているかのように思えた。今思い出しても腹が立つ。自分はナメられたのだ。あのカラスは、橋を渡っているとき、怯えていた自分の感情を察知したのだろうと思う。しかし、くちばしで頭や目を突かれたりはしなかったことに自分はホッとした。もしそんなことにでもなっていたら、頭に激痛(足で掴まれるのは全然痛くなかった)、もしくは流血なんてことになっていたかもしれないと思うと血の気が引くぜ。その小さな橋にカラスが停まっていたのは、今までで初めてのことで、二度と居ないことを願う。


日記2
明和電機のアルバム「地球のプレゼント」は名曲揃いだ。「麦の歌」や「地球のプレゼント」は歌詞の世界が壮大で、すこんと突き抜けた空のように思える。メカフォーク(自動制御されたフォークギター)の音色も素晴らしい。