2007年12月31日

今年もいろいろなことがありました。具体的なことは書けないけれど、嫌なことも忘れられないことも嬉しいことも感動したこともありました。初めての個展もしたし、色々忘れられない年になりそうです。あと、少し前の日記に書いた友人に、謝ることもできて、大切な人を失わずにすみました。


今、近所の神社で除夜の鐘が鳴っています。みなさん、良いお年を。



2007年12月30日

まだ暗いうちに出発して、友人たちと群馬県のハラミュージアムアークに「原美術館コレクション展」と「第8回牧場の想い出絵画コンクール」展を観に行った。車で出掛けたので、車中でスピッツやキンモクセイなどを聴いたり、みかんを食べたりして、ドライブ気分を味わった。ハラミュージアムアークは伊香保グリーン牧場の中にあって、素敵な場所だった。きっと春はもっと緑が鮮やかで綺麗なのだろうなあ。牧場内では時間ごとにさまざまなイベントがあるらしく、展覧会を見終わったあと、「うさぎのふれあい」というプログラムに参加した。人の膝に乗せられたうさぎはとても寒そうだったけれど、触るとふわふわとしていて、暖かい。他にも山羊や馬やポニーや牛や羊がいた。みんなやっぱり寒そう。


牧場をあとにして、うどん屋へ。いい値段だったけれど、他に店が見つからなかったし、凍える寒さだった(それもそのはず、雪が降っていた)ので、3人とも釜あげうどんを食した。そして伊香保温泉へ。体の芯まで温まる。というかのぼせる寸前まで入っていた。屋外の温泉の、顔にあたる冬の風が気持ちよかった。湯上がりにコーヒー牛乳を買って飲み(これが夢だった!)、この時点でまだ午後2時。


このまま真っ直ぐ帰宅するのももったいないということで、東京へ戻り六本木ヒルズの展望台へ登った。ついでに森美術館の「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展を観たけれど、イマイチ。展望台はいつも、ごちゃまんと人がいるのに、さすがに年末だからか人が少なかったように思う。「国会議事堂はどこだ。」とか「あの暗いところは青山霊園だ。」などと言いながら友人たちと見て回った。帰りに下北沢で夕飯を食べて家に帰った。



おそらく2007年トップ3に入るくらい内容が濃かった1日だと思う。計画を立ててくれた友人と、運転をしてくれた友人に感謝します。






2007年12月29日








2007年12月28日

5年ぶりの高校の友人たち。



2007年12月27日

千葉に帰っていた。


帰る前に、小山登美夫ギャラリー「タル・アール The Look」展、シュウゴアーツ「森村泰昌 荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・其の弐」展などを観る。


千葉はとても寒く、それでも昼間は晴れていて清々しい青空だった。家のベランダで育っているバラの花とか、名前は分からないけれど綺麗な花が咲き始めていた。日曜日、佐倉市立美術館に「Chaosmos'07 さびしさと向きあって」展を観に行った。この企画の第1回目ほどの衝撃はなかったかなあ。あのとき観たサワヒラキさんの映像とか、ムラタ有子さんの絵とか、どれもあの頃の自分には新鮮だったから今でも憶えている。けれど今回初めて石田徹也さんの絵を生で観られたのはよかった。絵の前に立ったとき、他にも人は結構居たのに、自分とその絵だけになったような感覚になった。沈黙の中に居るような。最後の絵は(画集で見た時もそうだったのだけれど)、彼が見ている夢を見ているような気分がした。哀しそうだからとか楽しそうだからとか絵の描き方がどうだとかで絵を判断することは自分はできない。思考を吹っ飛ばして自分に繋がるものがある絵に惹かれる。「それだけ」になっている感じというか…。理由を言葉で表すのは難しいのだけれど。


久しぶりに千葉でゆっくりできた気がする。ラーメン屋に行ったり(麺楽という最高に美味しい店)、夜ベランダでぼーっとしたり、料理をしたり、車を運転したり。なんてことはない、千葉に居た頃よくしていたことをした。クリスマスの深夜、月の周りに大きな光の輪ができていたのを知っていますか。ああいう、人の力では作ることも壊すこともできないものを目の当たりにしたとき、自分にも何かに意味を作ることができるのではないかと思います。どこにもそんな確信はないけれど、大きなものに包まれると、昔から自分はそう思います。



2007年12月26日








2007年12月20日

ロイは自分の体を持たないがアーロンを守っている。アーロンに罵声を浴びせるが、彼を馬鹿にしたり脅したりする人間に牙を剥く。なぜなら守るために生まれてきたから。ロイはそのために生きている。


池のほとりをアーロンと歩いた。童顔なのに背が高い。足下には落ち葉がびっしりと敷き詰まっていて、歩くたびに乾いた音がする。道でないところを歩くので、たまに枯れ葉の中に靴が埋もれる。空は曇っていて、だからといって暗くなく、1枚めくれば日が射しそうな、明るい白色だ。なんとも空虚な、しかし希望にも満ちていると錯覚しそうな空だった。目的を持たず歩いていても、どこまでも行ける気がした。不意に哀しい気持ちになるのはなぜだろうか。きっと気づいているからだ。遠くに行くことができないことも、夜がもうじき始まるということも。「そろそろ引き返そうか。」といい声がする。不純物のない乾いた空気は、その声を真っ直ぐ耳に届ける。




2007年12月18日

夢の理想乗っけて壁叩く。昔どっかで聞いた音がしました。


黒点の光よ。



2007年12月17日

銀座/フタバ画廊「Futaba Gallery Presents  a lot of...年末小品展」、ギャラリー小柳「杉本博司 漏光」展、ガーディアンガーデン・クリエイションギャラリーG8「290人のクリエイターによるオリジナルカップ&ソーサー展 お茶にしませんか?」、日本橋/高島屋6階美術画廊X「天にかけて誓うな 山本直彰展」。


ギャラリー小柳に行ったら、いつもと違う雰囲気を感じた。すると奥から女の人が出てきて「今日はお休みなんですよ。」と言われてしまう。そのあとすぐに「でも、どうぞ、観ていってください。」と言ってもらえたので、体が縮まりそうになりながら観た。どおりで、一緒にエレベーターに乗ってきた男の人が少々不思議そうに自分を見ていたんだ。あの人は関係者だったのだ。作品というよりこの体験の方が、しばらくの間、頭に焼き付いていた。


カップ&ソーサー展では、あれだけの数のカップたちを1度に観るのが初めてで、また、それぞれの作者さんのアイデアだったり、メッセージみたいなものがさまざまで見応えがあった。服部一成さんの野球のカップ&ソーサーがシンプルだけれど楽しくてよかったなあ。そういえば、自分は、食器などキッチンに関係するものが好きで、たとえばティーカップとかクッキーの型を見ると欲しくなってしまう。一人暮らしだからそんなに数は必要ないのだけれど。



2007年12月16日

夢の中で理想の家に住んでいた。




2007年12月15日

自分としたことが…。おとといはブシェミの誕生日だったではないか。すっかり忘れていた。何歳になったのかなあ。ところで、スティーブ・ブシェミの良さが最も引き出されているのはやはり「ゴースト・ワールド」だと思う。ダサいけれど、趣味が抜群に良くて、正直者で、ふとしたときに色気がある。つまり最高にかっこいい。この映画を初めて見たとき、「何もできやしない。」と言うイーニドに対して「何がしたい?」と訊くシーモア(ブシェミ)の目が、恥ずかしくなるほどショックだった。


部屋に帰ってテレビをつけたら、フィギュアスケートがやっていてた。キム・ヨナは綺麗な人だなあと思う。滑っているときの身のこなしや姿勢もそうだけれど、話している時の表情が魅力的だった。




2007年12月13日

知人に誘われて、「カブールの幽霊 in 下町(谷中、根津、千駄木)リレー展」(2008年1月)のためのお手伝いをした。Like Water Pressというところが主催をしている。カブールの子供たちを対象に行われた聞き取り調査の2つの報告、「最も怖いと思うこと」「最も嫌だと思うこと」の1位がともに「幽霊」だったということで、子供たちにその幽霊の絵を描いてもらい、集まった絵はおよそ500点。中には初めて絵を描いた子供たちもいたそうだ。自分と知人は、子供たちのその絵を缶バッヂにする作業をした。本当に様々な絵があって、どれも本当にいい。絵だった。色も形も自由で、そこにはなんのルールもなかった。


この展覧会は、谷中・根津・千駄木(谷根津)界隈のギャラリーやショップやカフェにて、それぞれ違った趣向の内容になっているそうです。
詳しいお知らせはこちらhttp://www.likewater-press.org




2007年12月12日

品川/原美術館「ピピロッティ リスト:からから」展、目黒/目黒区美術館「目黒の新進作家ー七人の作家、7つの表現」展、目黒駅近くの Kaffe Eins「ワタベテッサン ルールル巡航速度」、初台/東京オペラシティアートギャラリー「北欧モダン デザイン&クラフト」展。


原美術館は好きだ。あの建物の感じ、広さと、庭がいい。勝手だけれど、リストは自分の中で典型的な女性芸術家というイメージがある。性を露にするところなんて特に。好みの話で言うと、そういうのは、あまり好きではない。自分とはまた違う位置に居る人だと思う。いいとか悪いとかではなくて。印象に残ったのは、入り口正面にある映像作品だった。壁に寄りかかって眺めていたら、登場人物の体内に入るような場面では、例えるとジェットコースターで最初の急降下をする直前のような、あるいは悪い夢のような、体の奥がグラグラ揺れる感覚になった。帰りにミュージアムショップに寄ってガチャガチャをしたら商品が出て来なくて、お店の人に言ったら「上からひとつ取ってもらえますか。」と言われひとつ選んで取った。勇気を出してガチャガチャ回したのに。1年くらい前に違う美術館でしたときも、商品は出て来なかった。そういう星のもとなのか。あと、来年のカレンダーを買った。壁掛けできる縦長の、場所を取らないやつ。


目黒の Kaffe Eins はノスタルジックな趣のある喫茶店。コーヒーとチーズケーキを食べて休憩した。ワタベテッサンさんの絵は、もう何度か展覧会で観ている。何かははっきりしないけれど、今回の絵を見て何かが変わったような気がする。でもいつも感じるのは、この人はきっと自分のスピードを分かっている人なのではないかな、ということ。話したことないから分からないけれど。そして、人の描き方がおもしろいなあと思う。


「北欧モダン」展に並ぶ食器や家具たちは、まさにデザインが貫かれているものが多かった。見た目の美しさと機能性を兼ね備えたものがたくさんあって、生活の中にこういったものたちが自然に存在しているなんて、北欧の人たちはなんて贅沢なんだ。日本にもそういうものは確かにあるけれど、現代の、日本人の、しかも自分からすると、身近ではないから。そのまま持って帰りたくなるような食器がいくつかあった。


帰りに、吉祥寺バウスシアターで「ファンタステッィック!チェコアニメ映画祭」のアニマルプログラムを観た。チェコアニメを観たのはいつぶりだろうか。随分前に人形劇の不思議の国のアリスを観たような…。全体を通して、いわゆるいい奴がいとも簡単に死んでしまったり、善は善で悪は悪という関係になっていないというか。でも別に悲惨や複雑に描いているわけでもなくて、そういうこともある、みたいな感じがよかった。あるお話に出てくる、仲間はずれにされていたウサギが可愛かった。




2007年12月11日

最近観た映画(DVD)「アメリカンヒストリーX」「ミスティックリバー」「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」。ほとんどサスペンスものだ。


「アメリカンヒストリーX」は、何度もあるわけではないのだけれど、暴力シーンの描写がちょっと目を逸らしたくなるようなもので、喉の奥の方が締め付けられるような気持ちになった。悲しいとか素晴らしいとか簡単に言えるような映画ではないようなきがする。誰が観ても考えてしまうところがあるのではないかな。印象的だったのは、白人のデレクと黒人の男が天井近くまで積まれた洗濯物の中で作業しているシーンだった。部屋にはシーツと2人しか居なくて。映画全体的に、モノクロの効果がよく出ていると思う。
(少し前に見た「ハンニバル・ライジング」とあわせると)ハンニバルシリーズはすべて、前にもそれぞれ観たことはあったのだけれど、話の時間順に観たのは初めてだった。トマス・ハリスの原作を読んでみたくなった。「ハンニバル」の後はさすがにもう映画にならないのかな。少し観てみたい気もする。ジュリアン・ムーアは美しくて、グッチのドレスも似合うけれど、やっぱりクラリス役はジョディ・フォスターがいいなあ。あの人は賢くて集中力のある顔をしてる。



2007年12月10日

(写真)



2007年12月9日








2007年12月8日

部屋に帰ってきて、すこし寝てしまい、変な時間に目が覚めた。いつの間にか雨は止んでいたみたい。しなくちゃいけないことがいくつかあるけれど、何もやる気がしない。いまは朝の5時で、朝なのに外は暗くて、自分はジンジャーエールを飲んでいる。




2007年12月7日

髪を切った。少し。美容院で髪を切ったのは何ヶ月ぶりだろうか。


そのあと、和光大学B303アトリエの「SUMISEMI PROJECT-6鷲見ゼミプロジェクト 2007 <ペノーネの方へ>」を観に行った(同時開催されている「アンデポンタン Art Week in Wako」は、昼間の方がよさそうなので別の日にする)。去年のプロジェクトでは山中信夫を取り上げて、自分もゼミ員としてすこし参加していたので、大学を卒業して、一観客として展示をみるのは今年が初めてだった。最近までジュゼッペ・ペノーネという作家は名前を聞いたことがある程度で、どういう作家かはよく知らなかったのだけれど、9月に行ったヴェネチア・ビエンナーレで生に作品を観ることができた。莫大な数の作品が展示されている中でも、印象に強く残っている作家のひとりだ。ペノーネの作品でいくつかあった中でも、大きな角材がある部分をくり抜かれた状態で横たわっているという作品は、一見すると、本来あるべき姿(樹木)からそこまで掛け離れていないような気もするけれど、やはりそこには不自然さが漂っていると感じた。それがいいと思った。その着かず離れずの本当に微妙な感じが。的を得ているのか不安だけれど。自分はいつも的外れなことを言ってしまうから…。しかしまあ、とりあえずその負い目は置いておいて、やはり自分はその微妙さに反応し、そしてそれは自分が絵を描くときにも意識していることだと思う。あえてそうしようとしているわけではないと思うけれど、自分の描いた絵は、どっち着かずな、観る人を(たぶん自分のことも)はぐらかすような節がある。あるいはそういう方向に絵が向かっているというか近づいていくというか…。自分のことについてはまた別の日に書くとして、とにかく、ペノーネの作品をゼミ生が考察して、それに関係した事柄(同時に展示されている鉛筆の芯だけ残して木の部分を削っていくとか、木と触れ合うこととか、凸と凹のこととか)を体験して、実際にペノーネの作品に似たようなことをやってみて、そうしてできたものを展示するということは、自分の制作にも還元できるような要素があるかも知れないし、単純に、ペノーネを知らなかった人たちにその存在を教えるという意味もあるかも知れない。あとは、こういう一連の流れは、個人でやるよりも多人数でやることによって、スケールが大きくなるし、ひとりでは見出せないものも見えるかもしれない。作品に関わることだけでなく、人間関係も。つまり、自分はそういうことをぼんやり考えたりしながら展示を観ていた。幸い自分しか部屋にいなかったので、しばらくそこに居て何かを考えていた。


展覧会をじっくり見たのは久しぶりだったかな。そのためか、髪を切ったからというのもあるかも知れないけれど、なんだか、本当に少しだけ、気持ちが軽くなったというか。自分も、何かできるような気がして。何かは分からないのだけれど、何かできるようなきがして。


帰り道に聴いていたのはeuphoriaというバンドの「fairytale  landscape」という音楽。このバンドを知ったきっかけは友人の紹介で、自分は、その友人にひどいことをしてしまったのではないかと思っていて、でも何もできずにいる(もしかしたらしていないだけかも)。昔、ある他人に対して、言わなくていいことを言うのは言った本人がそれを言うことによって楽になりたいからだ、と言ったことがある。だから自分はそれを許さなかった。けれど今ここにこうして、自分が日記に書いているようなことは、まさに自分が楽になりたいからなのかも知れない。それはよくないと、何度も言っているのに。




2007年12月6日








2007年12月5日

信濃町の銀杏並木を初めて見に行った。そしてその下を歩いた。人がたくさんいて、車もたくさん走っていた。そのあと東京タワーに行った。そしてそれに登った。修学旅行らしき学生たちがたくさんいた。夜景を見るのは、いつも複雑な気持ちになるのだけれど(こんなに電気を使っていて大丈夫なのかなあとか、なんでこんなに狭苦しいところなのかなあとか、高いところに登って街を見下ろすことはどういうことなのかなあとか、いろいろ考えてしまって)、そういう間もいろんな色の光の集合体が下の方に広がっている。遠くの方に目をやると、東京湾のむこうに小さな光の粒が連なっている。それは水平線に沿っているわけで、まるで空と海の境目にネックレスみたいなものが1本置いてあるように見える。そしてそれは千葉の景色である。すぐ近くにばらまかれたような光よりも、自分は、夜だから黒くなってまるでぽかんと穴があいているような海と空の間に、目を凝らさないと見えないような、けれどもちゃんと在る、その、光の粒をずっと見ていた。野暮なことかも知れないけれど、敢えて言うと、森山晶さんの絵のようだった。




2007年12月4日








2007年12月3日

何もしない日もあるさ。




2007年12月2日

暗闇の中でバッグの中の鍵を探す。それは手の感覚に頼るしかない行為で、自分にとって絵は、そういう感じだと思う。




2007年12月1日

鎌倉に行った。特に用事があったわけではないけれど、小町通りのお店にいろいろ入ったり、路地裏で写真を撮ったりした。昨日の天気とは打って変わって青空が広がり、紅葉とのコントラストが綺麗だった。鎌倉に行ったときには必ず寄る喫茶店に最後入った。そこでは古い食器やらアクセサリーやら布やら電話などが売っていて、中でもそれらが並んでいる棚が欲しくなった。それはかなり古そうで色合いもよく大きさも丁度よくて1万円から2万円くらいのものがいくつかあった。結構考えてしまう値段だけれど、あれはいい棚だなあと思う。