2008年4月11日

六本木/国立新美術館「アーティスト・ファイル2008ー現代の作家たち」展、外苑前/Flaneur Cafe「木下陽輔 はなをつむ」展。


「アーティストファイル」は、ずいぶんと前から秘かに楽しみにしていたのだ。なぜなら、好きな映像作家のさわひらきさんが参加しているから。展覧会全体的にこじんまりとした印象を持ったけれど、それは悪いものではなかったように思う。さわさんは、前回BankARTで観たときから、また新しいところへ進んだ気がする。正直前の方が、もっと夢の中に居るような、知らないどこかへ迷い込んでしまったような、心地よい不思議がある世界観が強かったけれど、今回はもうすこし、さわさん自身が自分の世界観を客観的に捉えているような感じがした(一緒に行った友人がこのような表現をしていた)。それでも独特の心地よさは在った。また、映像の途中に流れるオルゴールのような音がいい。映像を見始めてしばらく困ったのは、6つのスクリーンを観るということかな。さわさんの作品は、仕掛けみたいなものが登場することが多く、今回は6つそれぞれが関係し合っているから、それを見逃せまいとして目の動きがしばし落ち着かなかった。あと気になったのは、エリナ・ブロテルスさんの写真。特に後ろ姿を撮っている写真は、目を離しがたいものがあった。自分は普段、横を向いた人を描くことが多いのだけれど、それは、単純に形の面白さもあるし、片側しか分からないちょっとした不安感みたいなものが落ち着くから、というのがあるのだと思う(もちろんこれらがすべての理由ではないし、これらがちゃんとした理由かはまだはっきり分からない)。後ろ姿というものにもまた、そういうのを感じて、彼女の写真に自分と似たものを感じたようだ。作者がそれを意図しているかは知らないけれど、自分はそういう感想を持った。


見終わったあと、ミュージアムショップに寄って、カタログと四角いバッヂを買った。それと忘れてはならないのが、ミニチュア石膏像のガチャガチャ。今回はジョルジョだった。肩幅の広い男前。次は、アリアス、マルス、ヘルメスあたりを狙いたい。