2010年9月2日

日記1(労働)
半年ぐらい前から、ある分野の昔の商品について調べていて、そのポスターとか広告とか毎日のように見るのだけれど、戦前の商品のデザインとかなんてかっこいいんだろうと思う。形や大きさ、ラベルに至るまで、完璧というか妥協が無い。あわせて当時の街や人の写真を見ていると、そのとき流れていた空気が匂いたち、ふと自分もそこに居たような気分になって、現在との大きな隔たりを感じる。それらの商品について調べていると、時代背景なんかも見えてきて、60年代70年代は希望に満ちていて、いまと違って「やりきった感」が無い。



日記2(季節)
陽はだいぶやわらかくなって、夕方3時には秋の日差しの柔らかさを感じる。影は以前ほどはっきりとせず、輪郭がぼやけている。しかしこの気温。この気温の高さのおかげでまだ夏が居座っている。



日記3(映画)
「クイックシルバー」を初めて見たのは小学生だったか、中学生だったか。主人公の、人生につまづいてもスレずに生きている姿勢がとてもすきだ。何よりケビン・ベーコンの美しさ。



日記4(兄)
「ぼくには兄になりきれなかった人が居て、今でも会うことができたなら、どんな話ができるだろうかと考えるけれど、もう会うことはきっとないから、話はできない。それが分かっているから、ときどき目の前が真っ暗になって、ぼくは眠る前に彼を思い出す。もしも、またどこかで偶然見かけることがあれば、そのときは彼の隣に誰か、やさしそうな女の人が居るといいと思っている。」