2007年12月5日

信濃町の銀杏並木を初めて見に行った。そしてその下を歩いた。人がたくさんいて、車もたくさん走っていた。そのあと東京タワーに行った。そしてそれに登った。修学旅行らしき学生たちがたくさんいた。夜景を見るのは、いつも複雑な気持ちになるのだけれど(こんなに電気を使っていて大丈夫なのかなあとか、なんでこんなに狭苦しいところなのかなあとか、高いところに登って街を見下ろすことはどういうことなのかなあとか、いろいろ考えてしまって)、そういう間もいろんな色の光の集合体が下の方に広がっている。遠くの方に目をやると、東京湾のむこうに小さな光の粒が連なっている。それは水平線に沿っているわけで、まるで空と海の境目にネックレスみたいなものが1本置いてあるように見える。そしてそれは千葉の景色である。すぐ近くにばらまかれたような光よりも、自分は、夜だから黒くなってまるでぽかんと穴があいているような海と空の間に、目を凝らさないと見えないような、けれどもちゃんと在る、その、光の粒をずっと見ていた。野暮なことかも知れないけれど、敢えて言うと、森山晶さんの絵のようだった。