映画「オーバー・フェンス」を観た。
他人へというより、己への感情に焦点が当てられていて、それがなんだか新鮮だった。
登場人物たちが抱える、どうしようもない自分への怒りや情けなさ。
それって、誰もがみんな持っているのかな、と思った。
うまく生きているようにみえる人でも、そういうものって抱えているのかな。
オダギリジョーは泣く演技がいいですね。
蒼井優が演じる、超絶めんどくせえ女がよかった。
めんどくせえんだけど、自分もあんな風に生きられたら、と羨ましくなるほど正直で、なんてったって、笑顔がいい女だった。
今日から自分が変われるかも知れないって思ったら、もう死んだみたいに生きなくてもいいって思ったのに。 人間として壊れかけた、一組の男女。
平凡で退屈なそれぞれの毎日を淡々と描きながら、ふと心動かされる一瞬の煌めきを、日常のなかに昇華させてゆく。