2007年12月12日

品川/原美術館「ピピロッティ リスト:からから」展、目黒/目黒区美術館「目黒の新進作家ー七人の作家、7つの表現」展、目黒駅近くの Kaffe Eins「ワタベテッサン ルールル巡航速度」、初台/東京オペラシティアートギャラリー「北欧モダン デザイン&クラフト」展。


原美術館は好きだ。あの建物の感じ、広さと、庭がいい。勝手だけれど、リストは自分の中で典型的な女性芸術家というイメージがある。性を露にするところなんて特に。好みの話で言うと、そういうのは、あまり好きではない。自分とはまた違う位置に居る人だと思う。いいとか悪いとかではなくて。印象に残ったのは、入り口正面にある映像作品だった。壁に寄りかかって眺めていたら、登場人物の体内に入るような場面では、例えるとジェットコースターで最初の急降下をする直前のような、あるいは悪い夢のような、体の奥がグラグラ揺れる感覚になった。帰りにミュージアムショップに寄ってガチャガチャをしたら商品が出て来なくて、お店の人に言ったら「上からひとつ取ってもらえますか。」と言われひとつ選んで取った。勇気を出してガチャガチャ回したのに。1年くらい前に違う美術館でしたときも、商品は出て来なかった。そういう星のもとなのか。あと、来年のカレンダーを買った。壁掛けできる縦長の、場所を取らないやつ。


目黒の Kaffe Eins はノスタルジックな趣のある喫茶店。コーヒーとチーズケーキを食べて休憩した。ワタベテッサンさんの絵は、もう何度か展覧会で観ている。何かははっきりしないけれど、今回の絵を見て何かが変わったような気がする。でもいつも感じるのは、この人はきっと自分のスピードを分かっている人なのではないかな、ということ。話したことないから分からないけれど。そして、人の描き方がおもしろいなあと思う。


「北欧モダン」展に並ぶ食器や家具たちは、まさにデザインが貫かれているものが多かった。見た目の美しさと機能性を兼ね備えたものがたくさんあって、生活の中にこういったものたちが自然に存在しているなんて、北欧の人たちはなんて贅沢なんだ。日本にもそういうものは確かにあるけれど、現代の、日本人の、しかも自分からすると、身近ではないから。そのまま持って帰りたくなるような食器がいくつかあった。


帰りに、吉祥寺バウスシアターで「ファンタステッィック!チェコアニメ映画祭」のアニマルプログラムを観た。チェコアニメを観たのはいつぶりだろうか。随分前に人形劇の不思議の国のアリスを観たような…。全体を通して、いわゆるいい奴がいとも簡単に死んでしまったり、善は善で悪は悪という関係になっていないというか。でも別に悲惨や複雑に描いているわけでもなくて、そういうこともある、みたいな感じがよかった。あるお話に出てくる、仲間はずれにされていたウサギが可愛かった。