2015年5月18日

眠れないから、映画の話でもするか。

「ラン・オールナイト」を観た。
裏社会で生きてきた父親と、長いこと疎遠になっている息子の物語。
命を狙われることになってしまった二人の逃走劇。
ありがちな設定ながら、ただの悪者を倒してハッピーエンドの映画になっていなくて、登場人物それぞれの人間関係に焦点を当てて丁寧に描写されていた。
主人公である父親とその息子がメインテーマだけど、この映画には他にも色々な親子関係が出てきて、血の繋がりとは何なのか、家族とは何なのかと、嫌でも考えてしまう。

そもそも主人公が悪側に居るというのが、このストーリーを複雑に面白くしていると思う。
言うなれば人間のクズみたいな男が文字通り命をかけて奔走する。


(悲しいかな、この予告編は映画の緊張感や面白さを表現できていない。)


主人公のリーアム・ニーソンはもちろん文句なしだけど、更にすごいのはエド・ハリスだった。
憎みきれない悪役っぷりが見事だった。「ザ・ロック」で演じたあの役を思い出させるような。

いちばんよかったのは、最後、息子が父親に掛ける言葉だった。
別れの瞬間、「ありがとう」でも「愛してる」でもなく、ただ「父さん」と。
それを聞いた父親に想いを馳せて、つい涙が出てしまった。

これはとてもいい映画だった。
ここしばらくの間で群を抜いて。