2009年3月20日

一日誰とも話さないと、夢の中に居るようだ。実感がないと言うか。
今日から伊坂幸太郎の「重力ピエロ」を読み始めた。この本は有名らしいが、今まで手をつけたことがなかった。この話は5月に映画になるそうで、その予告編を観たから、なんとなく原作を読んでみようかなあと思っただけ。映画も観に行くだろうけれど、原作を先に手をつけたのは失敗だったかな。この話を自分がとても気に入ってしまったら、他人によって作り出された映像を受け付けられないかもしれない。現にすでに、この話にのめりこみつつある。まだ数十ページしかたっていないのに。この話がどんな展開なのかは知らないが、なにより、語り手(泉水という青年)の話し方やその場でのものの捉え方、相手に対する接し方に好感を持ってしまった。


「僕には兄になりきれなかった人がいて、今もどこかで生きているはずだ。住んでいる場所や、働いている場所も知っている。会いに行こうと思えば、いつでもできる。でも、僕はそれをしない。本当は僕のことを一番わかってくれる人かもしれないけれど、それは幻想で、僕たちはもう会う事はないだろう。もし、どこかで偶然会う事ができたら、隣りに誰か、優しそうな女の人が居ることを、願っている。」