2009年10月18日

六本木/国立新美術館「光 松本陽子/野口里佳」展、雪谷大塚/小島びじゅつ室「坂本太郎展 森守」。

招待券をいただいていたのに、まだ見に行っていなかった。国立新美術館には、いたるところに椅子があって、いつも人で埋まっている。それはいいとして、展覧会を見るまで気づかなかったけれど、野口さんの写真は何年か前にギャラリー小柳で見たことがあった。黒い部屋に展示してあった太陽の写真(鹿が映っているやつ)を見て気がついた。印象に残ったというか、ひっかかったのが、「フジヤマ」のシリーズで、霧のような雲のようななかに女の子の後ろ姿が見える写真だった。走っていってしまうような後ろ姿だった。あとは「マラブ」のシリーズの写真。この写真をギャラリー小柳で見たとき、はじめ、妙な人が立っている姿を映したものだと思って、そんなに深刻そうじゃないのだけれど、ちょっと不気味な印象を持ったのを憶えている。その、人だと思ったものが本当は鳥だと分かったあとも、人間みたいだ、と思っていた。それが今日、予想していなかったかたちでまた見ることになり、あのときと同じことを思っていた。写真だけが照らし出された暗い部屋のなかで。すこし時間があったので、ミュージアムショップに寄った。新美術館のミュージアムショップはすきだ。なかなか見応えがある。こういうところで売っているTシャツは、なぜあんなに高いのだろうか。アトリエインカーブのものが欲しかったのだけれど、高すぎて買わなかった。

小島びじゅつ室は自分が4月に個展をした場所で、半年ぶりに会場に入るのは、なんだか妙に緊張した。ここに自分の絵があって、いろいろな人が見にきてくれた。うれしかった。あの展覧会のことは、まだちゃんと憶えている。

でも、もう半年もたってしまった。最近は、天気はいいけれど気分が晴れない。ずっと落ち込んでいる。いや、たまにはこういうこともいいのだけれど、長く続くのはあまりよくない。でも、もうずいぶんと長いあいだになる。